柳が一歩前に出てきた。
「柳...?」
っ!
『おかえり...おかえり、鈴...!
やっと...!やっとあの場所から...!』
そうつぶやきながら
私の存在を確かめるかのように
ギュッと私を抱きしめる柳
「うん...ごめんね、心配かけて...
っ、ただいま、柳」
そっと、柳の背中に腕を回した。
『1度、向こうに戻るね!』
琴の言葉に微笑んでから頷くと
みんなはふっと消えた。
...もう、大丈夫なんだ。
罵倒されない。
陰口を叩かれない。
認めてもらえる。
受け止めてもらえる。
重荷から解放されたんだ
女だから、って馬鹿にされない。
比べられない。
「……!」
感情が高ぶる