『ようこソ、我が元ヘ』



「ありがと」


燈兜に連れてきてもらった屋敷。

鬼とはいえ人型の容姿をしている燈兜は
見た目からしたら
私と同い年かすこし上くらい。



私のことをわかってくれる人。

「待ってて」





「柳、琴、キヨ、九尾」

式の名前を呼ぶ



『咲』


現れてすぐに柳が声をかけてくる。


「柳、私は鈴だよ」


『っ!?』

柳がビックリして、
みんなも息を飲んだ

「もう、私は姫じゃないよ」



『っ………やっと……』


『俺はどんなお前でもついていく。
鈴でも、咲でも、それ以外でも。』


「っ………そっか
ありがとう」


『私もだよ...お帰り、鈴...!
鈴がいないなんてイヤ』


『私は鈴様についていきます。
一族についているわけでは、ありませんから』



『すず、おかえり。
どこでもいい。すずがいるなら』

ふわふわの尻尾を私の体にするりと伸ばして
九尾が微笑んだ。


「っそっか……ありがとう
みんなは大切な仲間だよ」