咲希ちゃんに
すり寄る九尾達を全員が見た。



『九尾なんかは、
以前の主に本当にひどい扱いを受けてた。
妖力がなくなりかけ、
消えそうになった九尾を、齢五つだった咲が救ったんだ。

同じような奴もまだ居る。
咲は、俺達の光だ。
咲を傷付けるのは、誰であっても許さない』


そう言って俺の腕の中に居た咲希ちゃんを抱き上げた。


『今のお前たちに
咲を任せてはおけない。』


周りを飛ぶ九尾達もこっちを見ていた。

翔を一瞥した柳は、
そのまま校舎の屋上まで飛んだ。

「「「なっ!?」」」

「ちょ、翔!?
どうすんの?」


「...柳の言うとおりなんだ...

何も、今の俺にはできない。
できることはないんだ。」