「咲!」

ほんまに連れてきおった!!


大声を出して走ってくる3人に
九尾の威嚇とも取れる鳴き声が
かかる。

「あ...悪い、九尾」

そのまま走ってくる3人だったが、
さっきのように大声を上げることはなかった。


「っはぁ...
咲は?」

そう言いながら
咲希ちゃんを見る翔。

「ちょ...
翔と同じことになってる!」

光輝が、
前にしゃがみこんで咲希ちゃんの顔をうかがう。

「...あんま大丈夫そうじゃないな...
翔太、どうするんだ?」

みんなの目線が集まるのは、
九尾達がすり寄っている咲希ちゃん。



「......!!」

翔太の様子がおかしい。

「翔太?
どないした?」





「そんな...
主の命がないのに...」
  メイ

「翔太?」

「咲の体内に、九尾の霊気がある。
九尾達が、咲の体内の邪気を祓おうとしてる。
治癒の術を、使ってる...!」


「え?」

「咲の...主の命がない中で九尾達が
自分の妖力を使って、治癒を行ってる...」