終わった...!!

号令がかかり、授業が終わる。





私は、少し前に席替えをして
席の離れたみんなが来ないうちに、
気づかれないように教室を出た。

「ッ..ハァ...」



どうする...
ひとまず人のいない所へ行かなきゃ...

急ぎ足で人のいないところへ向かう。






どこかの中庭へ着いた。
この学校、庭が多いんだ。


ここは校舎から死角っぽいし
中庭にはだれもいない。

大きな木が一本、
丘のようになったところにたっていた。



……前にきたこと、ある…………?




視界がぼやけ始めてる。
頭も働かなくて記憶を辿れない。





木漏れ日がきらめくその木の下に座って
木に背中を預ける。

「ッ、ハァ..ぅぁ..くっ...」

厳しいな...

『キュウ?』



顔をしかめて不規則な呼吸を
繰り返していたところに、
目の前に九尾…蘭が浮いていた。

「!?
っ蘭.…どうして...」

言葉をしゃべれない
九尾の声が聞こえたようだった。




【大好きな咲が苦しんでるの、
わかるにきまってる。
咲の式だもの】

「っ、ありがとう...」