授業中だと言うのに勢いよくドアを開けた澪。
生徒の視線が一瞬突き刺さるが、気にせず自分の
席を目指してみる。

「澪、どうした?」予想外だったのは担任だ。
無視する気で満々で入った教師に無視出来ない
人物=担任が居たことで澪は結構驚いた。

何で居んの!と思わず言ったくらいだ。

「そりゃ授業中だからなー。俺も一応教師だし」
担任は笑って、澪を廊下へ呼び出した。


「みー、その傷どうした?」担任の早田は尋ねる。

「知らん。あ、俺ら帰るからさ!誠も」いつもの
様に笑って澪は言った。

「…分かったから後で連絡しろよ。音緒にも連絡
入れとくからな」
早田は問い詰めるのを諦め、澪の肩に手を置いた。

「俺らは大丈夫。先生から離れたりしないよ」
澪は笑った。

当たり前だ、と早田は頷き、観念したかのように
ため息をつき、いつものように微笑んだ。

「たまには俺の授業くらい受けろよな!」