うかうかしてると、あっという間に休憩が終わるところで。


油性マジックで

『食べると元気になるしのっぴー印』

と書かれたえらくテンションの高いチョコレートバーを慌ててポケットに入れて、立ち上がった。


こういうの、少し元気になったり、きゅんとくるシチュエーションだったりするのかな?


でもそれは、篠塚君とあたし、お互いにほんのり好意があった場合のみ。


篠塚君の『かわいいですね』は、完全に『おはようございます』と同義語だし。

あたしは、もう年下はこりごり。


……よって、特に癒されることもときめくこともなく、ただ、チョコレートを美味しく戴くのみ。


そんなことを思いながら、売り場に続く廊下を急ぐ。