「大人の事情に首突っ込まないでくださーい!

あ、あたし売り場に忘れ物ー。コーヒーありがとう、戻ったら頂くね!」


何だか居づらくて立ち上がる。



「大人って……俺も大人なんだけど……」


拗ねたような篠塚君の声を背に、スタッフルームを飛び出すあたし。


大人はね、いちいちそんなことで、拗ねたような声出さないっつーーーの。



売り場にハンカチを置いてきてしまったのは本当なので、足を向ける。


はぁあ。


さっきの続きで、また、自己嫌悪の塊になるあたし。


この間、若菜と日南子と集まった時、あたしなんであんなこと言っちゃったんだろう……。