「そんなシケた顔してたら、彼氏に愛想つかされちゃいますよー」


……うるさい。


そのことで、色々思い出して思わず叫んじゃったっつーのに……。


「彼氏なんて居ませんけどー?」


「……へ?あの、年下の彼氏は?

俺のバイブルなんスけど、お客さんとくっつくなんて夢があって……」


ちょっとちょっと。


なにこれ、この攻撃の威力。


店員と客だなんて、暗黙の了解でダメなものを、やっちゃってたあたし。


しかもふられてるし。


ああそうだ、職場の飲み会の帰り、方向が同じ篠塚君と帰るとき、昔そんな話をしちゃったんだよね……。


普段言わないくせになんでこんなタイミングでこいつは……。