泣いていても仕方ない。




すぅすぅと寝息をたてている咲子の隣で、スマホを駆使する。


そうだ、こうなったら……




役所、ええぇと、何課になるんだろう……



リビングの方で航平の物音がする。


お風呂から上がったんだろう。



でも、いいや。


暗闇の中で煌々と光るスマホのディスプレイを必死で辿る。


新しい思いつきに、意識を向ける。


航平に、相手にされないという現実から目を背けているだけなのかもしれないけど。