「いずみちゃんは?」


「多分、もうすぐだよー……あ、ほらほら、おーいこっちー!」


若菜がよく通る声でいずみを呼ぶ。


「お待たせー!遅くなってごめん!」


「アハハ、噂をすればー、だね」


若菜の言葉にいずみが反応する。


「えー、噂ってなによう」


「なーんでもなーーいーーー!さーメニュー見よ見よ」


本当に何か噂をしていたわけではないから、軽く流して若菜がメニューを見る。


わざと不満げにほっぺを膨らませるいずみと、ご機嫌な若菜を日南子は見比べていた。


5年前、合コンをきっかけにこの三人で遊ぶことがたまにある。