どうにかこうにかたどり着いたレジで、


「お会計……」


と言いかけたら、お済みです、と促してきた相手が、さっきオーダーを取ってくれたよく知っている店員さんで。


それなのに、腫れ物に扱うような、よそよそしい態度であたしに対峙していることが、なんだかとっても悲しくて。


あぁ、もうこのお店に来られないじゃん、あのパン滅茶苦茶美味しいのに……


なんて思いながら、通いなれたアーチをくぐって、外に出て、夜の道を歩く。