「え……っと……」


「ごめん、別れよう」




ゆう君の言葉が、まるで鋭利な刃物のようで。


とどめを刺す、って感じ。



あたし、結婚してなんて一回も言っていないよね?


重いって思われたくないから、気をつけてきたよ?





目の前には、食べかけの料理が並んでいるのだけれど、

急に温度や彩を無くした、まるで蝋細工のようで、

どうしてここにこれがあるのだろう?という不思議な気持ちになった。



「……そっか、わかった」


あああ。


あたし、全然分かってなんかいないのに。


分かった、とか言っちゃって。


バカみたい。