……あれ?

信じられない。


あたし、イヤだと思ってる。


篠塚君が、知らない誰かの為に予約したお店に、代わりに行くことを。


知らない誰かに、嫉妬をしている。



勿論、噂のお店に行きたい気持ちの方が勝っているけれど……。


これじゃ、まるで…………


「……とりあえず、行くけど……」


「けど?」


「この次は、誰かの代打じゃない方が、いいかな……」


「……っ」


離した身体を引き寄せられて、ぎゅーーーーーーーっと抱き締められて、息が苦しくて。



もう一度、チョコレート味のキスをしたい、と言うのは後回しにしようと思った。