「でもさー、あいつ超へこんでてさー、このまんま消えちゃうんじゃないかってくらい、ぼろぼろでさ。

あいつだって俺と元々結婚する気なんてなかっただろうから、そんなへこまなくてもいいのにとか思ったりして」


……それは酷いよ、航平……。


「それでも、立ち直って、二人で生活していくうちに、こう、守らなきゃ、みたいな気持ちがどんどん育ってさ」


あたしの知らない、二人の歴史。


「なんか、そうやってくうちに、あいつが大切になっていって。

咲子を妊娠したときとか、俺本当に嬉しくて」


……航平、いい顔してる。


「なんか、そんで、妊娠したらしたで、あいつ身体弱いからもう寝込んだりして見てられなくて」


か弱い日南子と、それを、守ろうとする航平。