すぐに追い付いた斉野君に思わず、


「センパイ……?」


と言うと、がしがしがしーっと頭をかいて(ちゃんとセットされてるのに勿体ないとか思っちゃう駄目なあたし)、


「あー、言っちゃった……」


……呟いてる。


先輩ってなんのこと?


でも、あたしも色々謝らなきゃ、えっと、どこから……と思いを巡らせていると、


「んー、どこから話そう……

とりあえず、俺今空くんで、よかったらこっちに」


誘導されて、お店の裏庭の方に回る。


綺麗に刈り込まれた芝や、きちんと植えられた花から、このお店が隅々まで丁寧に営まれているのが分かる。


斉野君の、あまり他では見たことのない深緑と茶色の混ざったような色の髪の毛を見つめる。


ああ、きちんと言わなくちゃいけないよね。