「咲子?…………咲子??」


叫ぶように、名前を呼んで、公園内を探す。


固定遊具の中、茂みの裏側、公衆トイレ。



平和に遊んでいる親子の姿が余計に不安を掻き立てる。


どうして、うちの子がいないの?


咲子はどこ?



……あたしが、くだらない妄想なんてしているから。


どうしよう。どうしよう。


「咲子っ?咲ちゃーーーーーーーん!」


ぞっとしつつも、慌てて道路の方に向かってみる。


ああ、こっちを探す方が先だったかもしれない。


お願い、無事でいて。


他の人とキスだとか、どうしようもないことを一瞬でも、考えてたママを許して。