「はい。これどーじょ」


気がつくとあたしの前には、いくつもの砂の山やら土の団子が並べてあって。


「これも、どーじょー」


まだ抜け切らない幼児言葉が可愛らしい。


きちんと喋る時もあるのに。


成長過程なんだなぁ。


子どもって不思議。


額に汗をにじませ、遊ぶ姿がとてもいとおしい。


「いただきまーす」


ぱくぱく、と食べる真似をしながら、なんとなく公園の周囲に目をやる。


……斉野君、この辺りに住んでるって言ってたような。


オトモダチ、か。


あたし、考えてみたら男友達って、殆どいない。


だから、別れる時に″友達に戻ろう″なんてやり取りをしたことがない気がする。


そもそも、友達だったことがないから。