普段なら、咲子とは歩かない距離。


すぐにだっこだっことせがまれるから。


だけど、今日は。



……昨日の夜、走った道を、太陽の光を浴びて咲子と歩く。


随分景色が違って見える。


思ったより咲子がぐずることもなく、無事に公園に着いて。



一緒に砂場に座り込む。


持ってきたシャベルで砂を掘ったり、型抜きをする咲子をぼんやりと見つめる。




昨日のあれは、初めての、揉め事。


あたしが悪かったんだろうけど、航平に浴びせられた言葉は消えない。


うまくいかないなぁ。


あたしはただ、航平にちゃんとこっちを向いてほしい。