「咲ちゃん、公園行こっか」


咲子が飛び上がって喜ぶ。


咲子と手を繋いでお散歩に出掛けよう。


今日は、一通り家事も終わったし、時間に余裕があるし、最近お散歩していないし、天気もいいし……


まるで、言い訳をしているみたい。


なんとなく、なんだけど。


あの、公園にまた行こうと思い立って。


斉野君に会った公園。


だから、なんとなく後ろめたい。


『偶然、あの公園に遊びに行く』という形にしたい。


……誰にともなく、そうしたい。



平日の昼間、会えるわけなんてないし、会っては困る。


だけど、だけど、なんとなく。


あの場所にもう一度行ってみたい。