咲子が寝てから、ポツポツと話した。


咲子を預ける事には、あたしも違和感があったこと。


だけど、咲子はとても楽しく過ごす事が出来て、また行きたいと言っていること。


ちょっと無茶をしてでも、航平を驚かせたかったこと。


航平と、最近すれ違ってばかりで寂しいと感じていること。


飛び出して、勿論悪かったと思っていること。




航平は、いつものように殆ど黙っていた。


だけど、


「酷いこと言って、ごめん」


と謝ってくれた。



……でも、それだけ。


あたしが欲しいのは謝罪の言葉なんかじゃない。


だけど、

航平とあたしと咲子。


咲子を中心に、『家族』としてうまく機能する為には、あたしの求めているものは必要ないのかもしれない。