「……星、見えないかぁ……」


夜空を見上げても、ガスがかかったようなそこに、星は1つも見えなくて。


あたしは今、1人、夜の公園にいる。


……1人で公園のベンチに座るなんて、何年ぶりだろう。




……航平のバカ。


ついさっきまでの幸せな気持ちが、嘘みたい。




あれから、わりとすぐに航平は帰ってきて。


あたしの髪型を見て、驚いていた。


「ただいま」の前に


「髪の毛……」って言ったから。


きちんと気がついてくれたし、すぐに言葉にしてくれた。


だけど、問題はそこからで。