気がついたのは、いつだっただろう。


咲子を、必死で育て、やっと一息ついた頃……


一歳半、くらい?



航平は、残業続きで帰宅が午前様になることもざらだった。


あたしは、元々子どもがそんなに好きな方でもないし、慣れない育児にへとへとで。



夜中、静かに帰ってきた航平が、小さく小さくボリュームを下げてテレビを見ながらビールを飲んでいる姿を、偶然目が覚めて見かけて。


……そして。


咲子が産まれてから、1度も……していないことを、そこでやっと思い出して。


そんなに経つまで、その事をすっぽり忘れていたあたしもどうかと思うけど、

そんなに経つまで触れようともしてこなかった航平に、ほんのり、薄く、違和感を覚えた。