桜舞う季節、入学式。
喜びと不安を胸に、新たなスタートを切る。
新しいクラス、新しい友人…
いろんなものに囲まれて。
…なんて華やかなスタートを切ることもなく4月はとっくに過ぎていって、クラスに未だになじめずに一人ぼっち。
安定といえば安定なのかもしれない。
私は友達をつくらない。
いや…つくれない。
「影原さぁん!」
「…何?」
ツンとした性格。
「日直日誌書いといてもらえないかな?あたし部活の集まりがあって…」
この女…部活は所属していなかったはず、私が何でも言うことを聞く召使いとでも思っているのか。
そんなもの、返す言葉は一つ。
「いいよ」
「本当!?助かる〜、ありがと!」
自分の意見を言えない性格。