―凜said―

今日は龍樹の誕生日!





龍樹と...夏樹の。



ぅぁぁぁあぁぁ!!
またナイーブな考えに...あたしだめだなぁ





龍樹の誕生日は、笑顔でお祝いしなきゃダメだよね!!



あたしは買ったプレゼントを大事にカバンの中にしまって、
ハイテンションで家を出た。







...が。

『...なに、それ?』
あたしは教室に入った瞬間、絶句。









『誕生日プレゼント』
龍樹は、みりゃぁわかんだろって感じであたしを睨み付けた。





うん、違うんだよな。
そうじゃなくてね...?








『なんでそんなに貰ってんの!?!?』
龍樹の周りは袋の山。
小さめの袋から、大きい箱まで、
本当にたくさんのプレゼント。





あたしの小さな箱なんて、
無くなってもわからないくらいの量。



モテるって怖!!
てか、ずる!!





なんだか急に虚しくなった...。









『お前はなんかあん...』

『あたしは買ってません!!大体あんたの誕生日なんて、昨日知ったし!!』


あたしは龍樹の言葉を遮って、
唖然とするクソ龍樹を睨み付けた。







『...てめぇいい度胸してんじゃねぇか』
龍樹は更に睨みをきかせた。




う...流石にこれはちょっと怖いな....!!
で、でも!!
龍樹がわりぃんだし!!
言わなかったクソな龍樹がわりぃんだしなっ!?







大体....こんなたくさんのプレゼントがあるなら、あたしから渡す必要ないし...。
特別いい物じゃないし。







『りゅーきぃ!!お誕生日おめでと!!』
廊下では、プレゼントを手に持ち騒ぐ女子の群れ。








...やってらんねぇ。
まじでやってらんねぇ!!
大体なんでこいつは他の女から平気でプレゼント貰ってんだよ!!
普通貰わねぇよ!?
だったらあたしからなんて、
いらねぇじゃん!!








あたしは心底頭に来た。
嫉妬してる自分にも。









夏樹のことを考えてる自分にも。