―未遥said―

電話を切った凜は放心状態だった。
けど、目からは涙が溢れていた。




あたしは凜を思い切り抱きしめた。








『夏樹に....会いに行こうって....明日....』
凜はヒクヒクしながら呟いた。








『やっぱり....兄弟だった....』









『凜?あたし凜に謝らなくちゃいけないんだ....』







あたしは凜から体を離し、
真っ直ぐに見つめた。







『み....はる?』








『あたし、龍樹くんと夏樹のことも....夏樹がどこにいるかも、あの夏、夏樹になにがあったのかも....本当は全部....知ってたの....!!』








『え....?』




『この前、陽に会いに行った時に夏樹に会ったの。そこで話を聞いて....陽も全部知ってて....』

凜は、声を押し殺して泣いていた。








『言い訳にしか聞こえないかもしれないけど....ごめんっ....あたしどうすればいいかわらなくって....』


あたしは知らないうちに泣いていた。








親友として凜に伝えるべきたったのか。

夏樹の気持ちをくんで黙っているべきか。






あたしと陽は毎晩電話で話していた。








けど結局。
何もできずに今日まで来てしまった。








『未遥....』
凜はあたしに抱きついた。


『りっ....』








『未遥と陽に、辛い思いさせちゃってごめんね。抱え込ませちゃってごめんなさい』
凜は泣きながら謝った。







『なんで凜が謝るの....?凜は....なんにも悪くない!!』








あたし達は抱き合いながらしばらく泣いた。








『明日、一人で大丈夫?』
『うん』



凜の瞳にはもう、迷いはなかった。









『あたしからはあえて何も言わないよ。自分の目で見て、確かめてきな』

あたしは凜の背中を思い切り叩いた。








真実を知った凜はどうするんだろう。

夏樹はどんな顔をするのかな....?








これから、どうなるんだろう。