―龍樹said―

夏樹は俺以上に頭がいい。
つか、俺より勉強してる。


だから当然いいとこの進学校。


....って、学校に来たとこで何かわかるわけでもねぇんだけど....





『お、龍樹か?』
振り返ると、
夏樹と遊んだ時に何度か一緒にいた奴らが俺に向かって手を振ってる。






『ぉお、翔、淳哉久しぶりだな』
翔と淳哉は夏樹とよくつるんでる。
こいつらならなんか知ってるはず....



『夏樹どうしたんだよ?』
....あ?



『夏樹ここ一週間学校来てねぇからさ!』
....なんだと?



『学校には体調悪いって言ってるらしぃんだけどさ....携帯もつながんねぇし』
....まてよ....




『でもこないだ、京香さんと歩いてるとこ見たやつがいるらしくてさぁー....』
....姉貴?




『....何やってんだあの不良兄貴が!!』

『おい龍樹、それお前がいう?』

『わりぃ、翔、淳哉またな!』

『ちょ、龍樹!?』



俺は走りながら姉貴に電話を掛けた。


学校に来てねぇ!?
俺だけじゃなく、他のやつの電話にも出ねぇだと!?
そんで姉貴と歩いてただ!?
何やってんだあの馬鹿野郎!!


『....くそが!!』





姉貴は意外にも直ぐに電話に出た。



«なんだよクソ弟....»
『てめぇふざけてんじゃねぇぞ!!』

俺は一瞬電話の相手が夏樹じゃなくて、
姉貴だということを忘れかけた。





«第一声がそれかよ»
『今どこにいる』






«晴と一緒に....»
『てめぇじゃねぇ!!夏樹だ!!』


俺は久しぶりに本気で怒鳴った。








『姉貴なんか知ってんだろ!?夏樹はどこにいんだ!!』




«....»




姉貴の沈黙が俺を余計にイラつかせる。




『答えろっつってん....』
«あんた今どこにいんの»



姉貴の冷たく、低い声に
俺の足は止まった。




«晴と迎にいく»









この後、俺の怒りは最高潮に達した。