―龍樹said―

凜が風呂に向かった後、
俺は引き出しをあけて一枚の写真を取り出した。








つい持ってきてしまった、
夏樹と凜の写真...。








『はぁー...』
俺は盛大なため息をお見舞いした。






夏樹もあれから電話出ねぇし。
未遥にもなんも聞けてねぇし。
凜にもなんも確かめられてねぇ....。








動かなきゃいけないのはわかってる。
けど....
知らない方が、みんな幸せなんじゃねぇかって思う。






夏樹もなんか、俺に隠してることがある。
たぶん....俺に会いに来なくなった原因。








『わっかんねぇ....』
俺は写真をしまい、ベッドに寝転んだ。








凜は、俺たちが双子の兄弟だってことを知ってんのか?
もし、知っていたとしたら...?
俺と夏樹を重ねていたとしたら....?









俺を通して夏樹をみていたとしたら...?








....って、考え過ぎか。
てか、知る由もねぇもんな。
あいつ馬鹿だし....。









とりあえず今日はそんなこと考えんのはやめよう。








俺は出てきた凜と、
入れ替わりで風呂に入った。