「朝から気に入られてるねえ?安西ちゃん」

「……やめて下さいよ、辻先生」


ニヤニヤしながら私を見る辻先生。独身、アラサー。
ぴしっとしたスーツを着る見た目は厳しそうな先生だ。


実際はそんな事なくて、いや、厳しいは厳しいけど。
愛があるというか。


まあ、口うるさい事は口うるさいから嫌いな生徒がいるのも事実。


私は尊敬するとこ、たくさんあるから好きだけどね。


そんな彼女は、ゆるふわの癒し系羊男子の久住君みたいなのは一切タイプではないらしく。

高倉健みたいな、頑固一徹親父ってのが好きみたいで。


タイプは寧ろ、ハゲた教頭と言っちゃう様な先生なのだ。



初めて二人で飲みに行って、それを打ち明けられた時は盛大にお酒を吹き出した記憶がある。
そこから好きになったんだけどさ。