「俺も明日買おうかな。これどこで売ってたんですか?」
「あ、それね、山本先生のクラ…」
うわ。私、言ってる途中でハッとしてしまって、思わず止めてしまったよ。
これ、途中で止める方がおかしいじゃん。
最後まで普通に言えば良かったのに。
うわ、私のバカバカ。
「先生」
「…うん」
「山本先生の事、気になりますか?」
「え?」
私が春斗を気になる?
そりゃ、友人としての目線で。
楽しんでるかな、とか。
そういった事は気にするけど、好きな人って目線ならば気にしてない。
真面目な顔の久住君は、私の返事を待たず口を開く。
「じゃあ、山本先生の方へ行ってもいいですよ」
「…え?」
その言葉に、私は目を見開いた。
春斗の方に行っても、いいですよ…?
それを久住君が、言うの?
言葉に詰まる私の腕を久住君がぐいっと引き、自分に引き寄せる。