「先生」

「な、何っ」


動揺は言葉として口から出てしまい、思わず大きな声が出てしまった。
久住君は目を真ん丸にしている。



「どうしたんですか?先生、そこにずっと立ってるし。
とりあえず、座りませんか?」

「あ、うん」

「ふふ、変な先生」


久住君はクスクスとふわふわの髪の毛を揺らしながら笑った。
どこか気恥ずかしくなりながら、私はカタンと椅子に座る。


すぐに動揺して情けない。


久住君は机にベターっと上半身をつけて、腕を伸ばすとぽつりと呟く。


「お腹空いたなあ」

「え?食べてないの?」

「はい、さっきまで片付けとかしてたから」

「うっそ、ごめん。じゃあ、今すぐどこか行こうか」


慌てて立ち上がると、ぐいっと腕を引いて彼がそれを阻止する。