「安西ちゃん、これ美味しい」


そう言うと、辻先生はチョコとポテチと生クリームが入ったクレープを私に差し出す。
断ってから一口、パクリとする。


「おお…不思議食感。美味しい」


バリボリ、だけど、もちふわ。
それで、甘いけどしょっぱい。

何だよ、定まれよ!って思うけど美味しい。


「それ、私も買わないとだ」


と、お買い上げ。
中々、文化祭を満喫してる私がいた。




「山本先生、いないですねえ」


私は自然と辻先生にそう言っていた。


「何、気になるの?」

「え、違いますよ。だって、全然見ないから」


大袈裟に手を振って否定する。
春斗はこの学校で初めて文化祭経験するし。

楽しめてたらいいなあって思うだけで。