久住君のクラスの演劇はシンデレラ。
体育館に私と辻先生は向かった。
まあ、その途中生徒に掴まり、中々進めなくて到着した時には既に劇が始まっていた。
「お、やってるやってる」
「ワンコの役聞いた?」
「聞いてないです」
「………ほら」
そう言って、辻先生が指差す方を見つめる。
そこにいた久住君。
あのふわふわの髪の毛絶対そうだ。
「………」
……おい。どうして、犬役なんだよ。
久住君なら、主役張れるでしょう。
とか、少し贔屓目に見てしまってるのはダメだな。
「役はくじ引きだったらしいよ」
「成程」
「それにしても…」
「……ねえ」
二人して思う事は同じ。
何で犬なんだろう。
……出て来たっけ、シンデレラに犬。