「安西ちゃん。怖いって言うのはね?昔ね」

「や、止めて下さいーーー!辻先生の怖い話、シャレにならないんですよーーー!!」

「ええ。つまんない」

「結構です!それで!」

「んじゃ、安西ちゃん。どこか行こうか」

「ああもう、切り替え早過ぎです」

「ごちゃごちゃ言ってると、うちのクラス連れてくよ」

「すみません、どこに行きましょうか」


すぐに私は自分の机の上にあるパンフレットを開く。
辻先生の脅しはマジなのだ。

だから、逆らわない方がいいのを私は知っている。


生徒が折角頑張ったんだし、全部見て回りたいけど、回れるかな。
辻先生のクラスを除いて。



「よーし、まずはワンコ見に行くか」

「あの、ちゃんと久住君って言って下さい」

「ワンコとしか言ってないのに、久住君と断定する安西ちゃんも中々だよ」

「ちょ、辻先生、私をさりげなく悪者にしないで下さい」

「へいへーい」


辻先生、本当に私で遊ぶんだから。
何?私ってからかわれるキャラだっけ?