「顔赤くなっちゃって。か~わいっ」
山本先生は口元で手を抑えながら、吹き出しそうになるのを堪えている。
「からかうのはやめて下さい!」
「あはは、仕方ないですよ。だって安西先生が耳まで赤くしてるから」
「っ!?」
私はすぐに手で耳を触ると、彼は更に爆笑していた。
「何か、楽しそうですねえ」
そう言って来たのは、斉藤先生。
美術の先生だ。
短髪黒髪で、丸メガネをかけている。
優しそうな見た目通り、とっても穏やかで柔らかい。
「とっても楽しいですよ」
「全く楽しくないです!」
見事、正反対の言葉がハモる。
それに二人して顔を見合わした。
私は思いっ切り苦虫噛み潰したような顔。
彼は締まりのないニヤついた顔で。