「いいね。反応までことごとく俺のモロ好み。
よろしくね?安西センセっ」

「…………」


口角をゆるゆると上げて、そう私の耳元で囁く様に言うと彼はぱっと腕を離してさっさと先に歩いて行く。


ポカンとする私。


え。ちょ、っと。待て。
待て待て。


何?今の。
誰?今の。


明るく爽やか満点の山本先生はどこいった。


……あの男……猫かぶってやがったな。


二重人格過ぎるだろうが。

何だよ、俺のモロ好みって。



辻先生の言う恋の予感ってか!?
いやいや。無理無理。


変なのに気に入られた。

どうにか避けたいのに、教育係を任されてしまっている。
どうしようもない事態。

……うわ、憂鬱なんですけど。