吐く息も白くなった今日この頃―――





 「最近毎日雄飛クン見かけるよね♪」


 「そうそう!!
  前まであんまり学校来なかったのに!!」


 「最初はすごい悔しかったけど
  これも美咲さんのおかげだよね-♪」


 「ホントホント♪しかも雄飛クン!!
  最近丸くなったよねぇ-♪」






 そんな声が学校中から聞こえてくる。








 「やぁっぱ人気者だねぇ王子♪」


 「そうみたいだね。
  皆アイツの本性知らないからだっつの。」


 「なになにぃ~♪
  あたしだけが知ってるんだぁ~って?」




 ガタガタンッッ




 「そそそ!!そんなんじゃないもん!!」


 「(あら意外♪)怜さぁ、そろそろ真面目に
  考えてもいいんじゃない?」


 「なっ…なにを。」


 「王子のコト。」


 「雄飛の…コト?」


 「付き合っちゃえば?」


 「ダ…ダメだよ…。
  あたし充以外…」

 「それってさ。そう思いたいだけじゃない?
  倉木への初恋に執着してるだけでしょ?」







 やばい。あたし、後頭部殴られた。
 いや、ホントに殴られたわけじゃないんだけど
 そんぐらい衝撃がきた。
 魅音の言葉…痛い…
 泣きそうだ…。