「ホント何がいいんだろ!!
 確かにかっこいいけどさっ。無愛想じゃん!!」


 「まぁそこがミステリアスでいいんじゃない?」


 「ふぅ~ん。そう言うもんかねぇ…」




 なんて言うか、あたしにとって篠崎雄飛は
 王子と言うより魔王って感じだ。
 無愛想だし遊んでそうだし、何よりもあの目つき!!
 なに考えてんのか分からないあの目つきが
 めちゃくちゃ恐いんだよぉ―!!




 「やっぱあたしには充しか居ないョ♪」


 「はいはい。あんたの愛しの充なら
  あそこに居るョ。」


 「いやん♪みつるぅ―!!」

 「やれやれ…
  あの子に春は来るのかしら。」




 そんな魅音の心配なんて全く気付かない怜は―。





 「みつるぅ―!!!!!!」


 ドカーン!!


 「いって!!おぉ怜♪相変わらずだな…」


 「へへへっ★充見えたから走ってきちゃった♪」


 「そっかそっか♪かわいぃな-怜は★」



 この子が幼なじみの倉木 充(クラキ ミツル)
 あたしのだぁい好きな人♪
 優しくてかっこよくて、おまけにスポーツ万能なの!!
 頭はちょっと悪いけどね…☆
 あたしは充以外好きにならない!!



 この時はそう思っていたのに―――。