『ねぇ、篤志くん。今ならあなたのお姉さんに何もしないわ。』


岡田さんが俺の手を包み込む。


『だから、ね?篤志くん、私と……っ!!』



振り払った手がジンジンと痛んだ。


岡田さんの傷ついた顔


芽依の傷ついた顔



なぜか、


俺の中でかぶるんだ。



もし傷つくのが芽依なら?


俺が、芽依を傷つけるなら……っ




『俺は、……』


『……』


『俺は、芽依が好きだ。だから……、芽依は』


『……』


『俺が守るんだ。』



離さない。


絶対に。




罪?


義姉弟?



それが何だ。



芽依は俺が好きで、俺は芽依が好きで。



それだけが、全てだ。



『そういうことなんで。失礼します』



立ち尽くす岡田さんを置いて、歩き出した。



俺たちの家で待つ、芽依のもとへ……




*