「なぁ、芽依」
俺が立ち上がると、観覧車がギシッと音を立てる。
キャッと短い悲鳴を上げた芽依の隣に座って、小さな手をギュッと握ると
ニヤッと笑って言った。
「そんなに俺とキスしたいの?わざわざ自分からキスの話題出すなんて」
「そ、そんなんじゃ…!」
「ふーん。ま、芽依が言わなくてもするつもりだったけど」
ふいを突いて、彼女の唇に短いキスをする。
途端に、また真っ赤になる彼女の顔
「頂上は、まだだよ……」
「俺に嫉妬させた罰」
「んっ…あっちゃ…!」
芽依の唇は甘くて柔らかくて
なんて甘い罰なんだろう
そう思ってた。
唇を離して彼女の真っ赤な頬を撫でると
チュッ
今度は不意打ちで芽依からのキス
「わ、私も…嫉妬したから…罰!!」
真っ赤な顔で半ば叫ぶように言う芽依
本当に、甘すぎる罰だ。
肩を抱き寄せて真っ赤な頬にキスをする。
「…やっぱり芽依も、キスしたかったんじゃん」
「だ、だから罰だってー…」
下を向く芽依の顎を上げて、また唇を奪う。
芽依は気付いてないけど、そこはちょうど頂上で。
なぁ、神様
あんたの存在もあまり信じてないけど一応言っとく。
あんたがもし『姉弟で愛し合うのが罪だ』と思うなら
その罰は俺だけが受けるから。
愛しい愛しい俺の姉に、悲しい思いをさせないでください。
この人の弟としての
一人の男としての
あんたへの最後のお願い。
*