あっちゃんはバスケ部に入っていて、朝練があるからって朝早くに家を出る。


だから家にいるのは久しぶりで……って、



「あっちゃん!ちょっと待ってよ!」


早くも靴を履いて家を出ようとするあっちゃんの鞄を一生懸命引っ張る



「なんだよ?」


「先行っちゃうの?!久しぶりに一緒に学校行こうよぉ!!」


「あぁ?お前全然準備できてねーじゃん!やだよ、めんどくせぇ…」


「お願い!待ってて、5分で終わるから!」



あっちゃんは無表情で、下を向いてる。



……やっぱ、ダメかな


テンション上がってわがまま言いすぎちゃった




肩を落としてリビングに戻ろうとした時


微かに聞こえた低い声。



「…5分経ったら、行くからな」



え?


パッて後ろを振り向くと、俯いたままのあっちゃん。


でも、耳が赤くなってるのは気のせいかな?



「うんッ」



よし!


高校入って初めてのあっちゃんと一緒の登校を、


意地でも掴み取ってやる!!




*