放課後。
「芽依ちゃん、どこ行く?」
その亮太郎くんの言葉に、教室中のみんなが振り向く。
『付き合ってるの?!』と咎めるような女子の目。
『なんで進展してんの?!』と怒ったようなみなみの目。
『早く付き合え』とニヤニヤしている朝陽の目。
そ、そんなにみんな見なくても……
「ファミレス行かね?」
「う、うん!いいと思うっ」
デートじゃないもん、一緒に勉強するだけだもん!
「ん、じゃぁ行こう」
「ははははい!」
うぅ、視線が痛い………
下を向いて痛い視線に耐える私を通り越して、亮太郎くんの目がある一点で止まる。
「…………あ。」
「ん?」
亮太郎くんが制止するのを無視してそちらを見ると……
「………っ、」
一緒に歩く、あっちゃんと岡田さんの姿。
二人でどこ行くの?
その時。
あっちゃんが振り向いて……
目が合った。
放心する私を見て、あっちゃんがニヤッて笑う。
「……〜〜っ」
嫉妬してる私の反応を見て楽しんでるの?
「……っ、最低!」
あっちゃん、ほんとにドSなんだから!
「行こ、亮太郎くん!」
鞄を乱暴に掴んで、教室を出た。
*