「こここ」
こ?
「告られたぁーー?!?!」
「み、みなみってば!声大きいよっ」
ここが屋上でほんとによかったっ。
「で?もちろん芽依も……」
「言ってない」
「なんで?!大好きな篤志くんに好きって言われたのに…!」
「………『姉弟』だもん」
本当はね?
今すぐにでもあっちゃんに好きって言って、ギュッてしてほしいの。
『俺も好きだよ』って言ってもらって、キスしたいの。
でも……、あっちゃんへの気持ちが溢れるのをせき止めるのは、両親の幸せそうな笑顔。
お父さんが亡くなってすぐ、私の気付かないところでお母さんがよく泣いてたの、知ってるんだよ?
せっかく、お母さんを幸せにしてくれる人ができたのに、その二人の幸せを壊す権利なんて、私にはないよ………。
「そだね。……簡単に言ってごめんね」
「んーん。………でもすごく嬉しかった。ずっと好きだった人に、好きって言ってもらえて……」
「うん。よかったね。……私も朝陽と両思いになった時、死ぬほど嬉しかったしね」
二人で目を合わせて笑った。
好きだけど、秘密にしなきゃいけないのはすごく苦しいけど……
やっぱりこんなに愛しいと思えるのは、あっちゃんだけなの……。
*