杉浦くんの頭の中では


あっちゃん=私の好きな人



でもね、本当は……。



「弟、なの」


『弟』…私の、世界一嫌いな言葉。



「弟って、……え?」


案の定、杉浦くんは少し動転してる。


これを言うのは二人目だな。


一人目は私の大親友のみなみ。


二人目は……、私を心から好きと言ってくれた人。


『俺を使って』、そう言ってくれた人。



「でも平岡さん、好きな人って…」


「うん、そうだよ。…私、…弟に恋してるの。血は繋がってないんだけどね」



そう言うと、星空を見上げて笑った。


血は繋がってなくても、弟は弟。



きっと誰も祝福してくれない。



だから……、少しずつ、周りも見なくちゃいけない時期かもしれない。



「……亮太郎くん」


「……っ、平岡さ…」


「亮太郎くん。傍にいてくれてありがとう」


まだ少し動揺している亮太郎くんに笑顔を向ける。


「…芽依ちゃん」


亮太郎くんは私の手を握って真剣な顔をする。



「芽依ちゃん、アイツを好きなままでいいから、……俺を知る努力をしてもらえませんか?」











「………はい」



遠くの空に、流れ星を見た気がした。



*