「あっちゃんって……」
その名前に反応して、杉浦くんの目付きが変わる。
明らかに敵視してる目で……
そして。
なぜかあっちゃんまで杉浦くんを睨み付けている。
「あなたにあっちゃんって呼ばれる筋合いないんですけど」
「あ?」
ちょ、ちょっと待って、何この雰囲気……
誰か助けて!
そう思った瞬間
「篤志くん、お待たせ!……って、平岡さん?」
現れたのは、私が落ち込んでた原因だった人
ねぇ、あっちゃん
『お待たせ』って何?
急いであっちゃんに視線を移すと、あっちゃんは岡田さんの方を見て、「いえ…」と一言呟いた。
「平岡さんはどうしたの?もしかして篤志くん待ってた?でも最近篤志くん私を家まで送ってくれてて……」
「岡田さん。帰りましょう」
あっちゃんが岡田さんの言葉を遮って靴を履き替える。
最近?
あっちゃんが、岡田さんと一緒に帰ってたの?
最近いつもより帰りが遅かったのはそのせいなの?
あっちゃんと勉強会があるから、って楽しみにしてた自分を惨めに感じる。
あの勉強会を楽しいと思ってたのは……、私だけ……?
*