「芽依ー、帰る?」
放課後。
みなみが私のところに来てそう言ってくれたけど
「ごめんっ。私今日図書館で勉強しようと思ってて」
いっぱい勉強して、あっちゃんをビックリさせるんだ!
「へー。芽依、篤志くんが絡むとなんでもできるのね」
「…〜う〜、からかわないで〜……」
「はいはい。私も今日朝陽の家行くんだ」
そう言ったみなみの幸せそうな顔を見て、私まで幸せになった。
「じゃぁね!」
「うんっ」
天気もいいし気分もいいし
きっとあっちゃんをビックリさせられるな……
図書館に着くと、日光がよく当たる机に座る。
そこからはちょうどグラウンドと体育館が見えた。
グラウンドでは野球部がノック中
朝陽いるのかな。
朝陽のポジションはショートだったような……
と、グラウンドの周りに集まってキャーキャー言ってる女の子達の中に、見慣れた顔を見た。
「……みなみ」
思わず笑みが零れる。
その視線を辿ると、やっぱり。
「らぶらぶ〜」
みなみの方をチラチラ見る朝陽の姿
「練習に集中しなよ〜」
そう言いながらもうらやましくて
私もあっちゃんと……なんて、ありえないか。
私の片想いだもんね……
*