何なの、もう……!!
私ばっかりドキドキさせられて
あっちゃんはいつも余裕な態度で
もう、本当に悔しい!!
「あっちゃんのバカ!変態!エロ魔王!!」
バンッて近くにあった枕をあっちゃんに投げつけて、足早に部屋を出た。
「なッ!人の部屋でAV見てたの誰だよ!!」
なんて声が聞こえてきたけど、この際無視。
隣の自分の部屋に戻って、ドアを荒々しく閉める。
そして、力なくドアの前に座り込んだ。
まだ心臓ドキドキ言ってるよ……
真剣な顔
色っぽい瞳
意地悪な笑顔
ほんとは全部…………
「はぁ…」
あっちゃんは多分、覚えてないんだろうな…あの約束。
二人一緒に眠った夜に、固く手を握り合って交わした約束。
『大きくなったら結婚しようね』
まだ幼かったけど、本気だったんだ。
大きくなる内に現実を知って
あっちゃんは好きになってはいけない人だと
知りながらも気持ちは募るばかりで。
多分、あの頃よりも気持ちは大きくて
明日は今日よりも好きになってる。
*