「………なんで?」
な、なんでって……
「帰りたいから」
「なんで」
“あっちゃんと一緒にいたいから”
なんて言えないし……
でもそれ以外に理由なんてないし……
ハァ……と、あっちゃんは一つため息を吐いた。
……やっぱ迷惑かな?
朝、一緒に来れたからって浮かれすぎ?
「……無理」
……っ!!
やっぱり……
そんなこと、わかってたけど。
はっきり言われると、辛いなぁ……
「……俺、部活終わんの遅いから。お前の大っ嫌いな暗ーい学校で、一人で待ってられるわけねーじゃん」
う……
確かに………
て、ちょっと待って。
あっちゃん、もしかして
心配してくれてる─……?
口に手を当てて、あっちゃんの顔を見たまま動けない私に
あっちゃんはニコッて微笑んだ。
まるで、昔に戻ったみたいで─………
「あっちゃん……」
好きなの。
大好きなの。
隠してきた気持ちが、溢れ出しそうになった。
*