「少し熱があるから休んだほうがいいわ。私がいるからあなたは教室に戻りなさい」


保健室の先生に言われて、保健室を出る。


みなみは布団を頭までかぶってまだ泣いているようだった。


朝陽は、どうなったんだろう。


まさか、退部になんかなってないよね?


教室に戻って確かめなきゃ……



教室のほうに体を向けた瞬間


「………っ」


不敵に笑う彼女が立っていた。


怖くて怖くて、足が動かない。



「わかった?」


ドクン、と心臓が鳴る。



「好きになっちゃいけない人なのよ」


やっぱり、そうなんだ。


あの写真を貼ったのは、岡田さん……




恐怖と同時に、怒りがこみあげてきた。


どうして、二人を……


「卑怯よ……」


やっと出した声は、震えていた。



「あなたに言われたくないわ」


岡田さんの声も震えている。



「姉だからってずっと一緒にいれて、無条件に愛されて……!『姉』って立場を利用しないで!!」


私は、


姉だからあっちゃんに愛されているの?


姉だから


あっちゃんを愛しちゃいけないの……?



岡田さんが去った後も、私はその場から動けなかった。


迫りくる別れの予感から、目をそらすことができなかったんだ……



*