学校に着いて、教室に向かう。
2年教室に行くには、1年教室の前を通るから
あっちゃんの教室まで一緒にいれるの。
嬉しい─……んだけど。
さっきから感じる、鋭い視線。
『あれ、誰なのかな?』
『篤志くんの彼女?』
『えー!ショック……』
……やっぱり。
やっぱりあっちゃんモテるんだね。
いや、わかってた
わかってたけど………
やっぱやだな………
「おい。おーい」
………ん?
ッ!!!
あ、あっちゃん!顔近いってば!
「離してくんね?入れないんだけど」
………あぁ、そういうことね。
いつの間にか、無意識に持っていたあっちゃんの鞄を離した。
「何怒ってんの?」
「おおお怒ってないもん!」
「プッ。どもりすぎ」
……あっちゃん。
あっちゃんはどうしてそんなにカッコいいのかな
ほんとは、もっとずっと一緒にいたいよ
溢れる気持ちを抑えきれなくて、
少しだけ、少しだけ
欲を出してみた。
「帰りも…一緒に帰りたい」
*